会計・経理

会計ソフトを期首に乗り換える:残高・科目・過去証憑の移行手順

移せるデータと旧環境に残すデータを把握して切り替える。具体例と確認表で、自分の条件に合う進め方を整理します。
この記事の内容
  1. 新ソフトに移す範囲を先に決める
  2. 前期の確定資料と未確定事項を分ける
  3. 科目と補助科目の対応表を作る
  4. 開始残高を入力して口座別に照合する
  5. 銀行連携の開始日と旧ソフトの役割をそろえる
  6. 証憑と過去データを確認してから移行完了にする
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会計ソフトを期首に乗り換える場合は、前期末の残高を新しいソフトの開始残高へ引き継ぎ、過去の帳簿・証憑をどこで保存するかを決めます。新ソフトで今期の入力を始められても、前期資料を取り出せなければ移行全体は終わっていません。

期首移行は、当期の過去取引を大量に取り込む期中移行より整理しやすいことがあります。ただし、売掛金、未払金、固定資産などの内訳も確認が必要です。以下は移行の準備・確認手順であり、三製品で実際に移行を試した結果ではありません。

新ソフトに移す範囲を先に決める

移行範囲には、今期の開始残高だけを設定する方法と、前期比較のために過年度仕訳も取り込む方法があります。履歴を全部移したいという希望があっても、画像や請求書の状態まで同じ形で移るとは限りません。

freeeの公式ガイドは、期首・期中の乗換えと、前期比較の有無で必要な操作を分けています。期首から記帳し、前期比較をソフト上で行わない場合には、開始残高を設定する形が示されています。freeeの法人向け乗換えガイド

移行計画には、「新ソフトへ移す」「旧ソフトまたは出力データで残す」「別の台帳で引き継ぐ」の三つの欄を作ります。すべてを一回のCSV取込で移せると想定せず、保存と日常業務に必要な範囲から確認してください。

前期の確定資料と未確定事項を分ける

前期の決算がまだ確定していない時点で準備する場合は、使っている残高が暫定か確定かを記録します。後から決算整理が入り、開始残高が変わる可能性があるからです。

架空の確認表では、「3月31日時点の試算表・暫定版」「売掛金の取引先別内訳」「未払金の支払先別内訳」「固定資産台帳」を別行にします。確定後に差し替える資料には、担当者と予定日を付けてください。

資料確認する内容残高だけでは不足する例
試算表・決算資料対象年度と確定状態決算整理前の数字
預金の内訳銀行・口座ごとの残高合計は一致して口座別が不一致
売掛・未払の内訳相手先と請求の内容翌月の消込対象が分からない
固定資産台帳資産ごとの設定と残高合計額だけで償却を再現できない

原本のデータは変更せず、移行用の加工ファイルを別に保存します。再取込が必要になったときに、どの資料から作ったかを追えるためです。

科目と補助科目の対応表を作る

旧ソフトと新ソフトで、科目名や税区分、補助科目の持ち方が違う場合があります。名称が似ているから同じと判断せず、会計担当者と対応関係を確認します。

マネーフォワードの移行ガイドでは、勘定科目・補助科目、開始残高、仕訳を、それぞれ指定形式に合わせて移す方法を説明しています。仕訳データに開始残高が含まれる場合の二重取込にも注意を促しています。マネーフォワードの他社データ移行

対応表の例は、「旧:普通預金/A銀行、新:普通預金/A銀行」「旧:売掛金/B社、新:売掛金とB社の管理項目」です。新ソフトで補助科目以外の項目を使うなら、残高と相手先の追い方が変わらないかを確認します。使わない旧科目も、過去データの保存から勝手に消さないようにします。

開始残高を入力して口座別に照合する

開始残高を設定したら、総額だけでなく科目・補助科目・取引先の内訳を確認します。借方と貸方が一致していても、科目の振り分けを間違えている可能性があります。

架空例として、旧ソフトの預金がA銀行600,000円、B銀行400,000円なら、新ソフトでも合計1,000,000円に加えて各口座の残高が一致する必要があります。A銀行へ全額入力しても合計は合いますが、日々の照合はできません。

照合する単位旧データの例新データの合格条件
A銀行600,000円同じ口座に同額
B銀行400,000円同じ口座に同額
B社の売掛110,000円対象請求を追える
C社の未払55,000円支払時に対応付けできる

差異が出た場合は、端数をまとめて調整する前に、科目対応、符号、未取込行、開始残高の二重登録を確認します。

銀行連携の開始日と旧ソフトの役割をそろえる

新ソフトの銀行連携が、期首以前の明細まで取り込む場合があります。前期末残高を開始残高として設定したうえで、前期の取引を再度入力すると、残高が重複する可能性があります。

切替表には、旧ソフトの最終記帳日、新ソフトの記帳開始日、銀行・カードの取得対象期間を書きます。両方のソフトにログインできる期間があっても、今期の正本はどちらかを決めてください。照合用に残す旧環境へ、新しい取引を追加し続けないようにします。

新環境へ移る前には、一件の入金、一件の支払、カード引落しなどの代表的な処理を確認します。前期から持ち越した売掛金への入金が、今期の新しい売上として登録されないかも見ます。銀行連携の重複確認が切替初月の点検に使えます。

証憑と過去データを確認してから移行完了にする

過年度の帳簿、申告関連資料、証憑、固定資産台帳は、どこに保存し、いつまで利用できるかを確認します。仕訳CSVが出力できても、元の画像や訂正履歴などがすべて含まれるとは限りません。

国税庁の電子帳簿保存法Q&Aには、保存方法に応じたデータ移行上の留意点が掲載されています。保存システムを替える場合は、画像を取り出せるだけで条件を満たすと判断せず、履歴や検索情報の扱いを確認してください。国税庁の電子帳簿保存法Q&A

最後に、開始残高、内訳、連携初月、過去資料の取出しを確認し、税理士等と切替状態を合わせます。旧ソフトの解約はその後に判断してください。期首からではなく年度途中に移る場合は、開始残高に加えて当期仕訳の照合が必要になるため、期中移行の確認手順を使います。

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