5人の会社の業務マニュアル作成:一作業一ページで引き継ぐ方法
この記事の内容
小さな会社のマニュアルは、すべての仕事を網羅するより、担当者が休むと止まる作業から一つ作ります。画面の操作だけでなく、何を確認し、どこで止め、何ができれば完了かを書くと、別の人が引き継ぎやすくなります。
最初のツールは共有文書で十分な場合があります。NotionやGoogleドキュメント、Wordなど、普段使っている文書で一作業一ページにし、実際に使って直すことを優先しましょう。
最初の対象は頻度と止まったときの影響で選ぶ
月に何度もある作業、締切がある作業、特定の一人しか知らない作業を並べます。すべてを重要扱いせず、今月その人が休んだら困るものを一つ選びます。
| 仕事の候補 | 繰り返す頻度 | 止まった場合 | 最初に残す内容 |
|---|---|---|---|
| 請求前の確認 | 毎月 | 請求の遅れ | 対象と金額の照合 |
| 問い合わせの振分け | 毎日 | 返答の遅れ | 担当を決める基準 |
| Webサイト更新 | 不定期 | 誤公開や更新停滞 | 確認環境と公開判断 |
| 年1回の設定変更 | 年1回 | 次回まで忘れる | 根拠と変更履歴 |
頻度が低くても、失敗したときの影響が大きい仕事は記録する価値があります。一方、慣れれば誰でもできる軽い作業に、長い説明書を作る必要はありません。
操作より前に目的・入力・完成条件を書く
手順書の冒頭には「この作業で何を終えるか」「何がそろったら始めるか」「何ができれば完了か」を書きます。これがないと、画面を順番に押せても、正しい対象を処理したか判断できません。
たとえば請求前の確認なら、目的は「合意した対象と金額で請求できる状態にする」、入力は「承認済みの発注条件と当月の実績」、完成条件は「確認者が対象・金額・宛先を照合し、送付担当へ渡す」です。
請求書を実際に送る操作と、その前の確認は別の手順にできます。途中まで練習する場合に、誤って外部へ送信しないためにも、作業の境界を明確にします。
一ページの手順書に判断と停止条件を入れる
次は架空の手順書の記入例です。業務に合わせて条件を書き換えて使います。
| 項目 | 記入例:月次請求の内容確認 |
|---|---|
| 開始条件 | 当月実績の確認が終わっている |
| 手順1 | 対象案件を案件番号で開く |
| 手順2 | 合意した料金と実績を照合する |
| 手順3 | 宛先・対象月・請求額を確認する |
| 止める条件 | 単価変更の根拠が見つからない |
| 相談先 | その案件の窓口担当 |
| 完成条件 | 確認日と確認者を記録して送付担当へ渡す |
「不明なら確認する」だけでは、誰に何を聞くかが分かりません。「単価を確認できない場合は、元の見積番号を添えて窓口担当へ聞く」のように、止まった後の動きを書きます。
スクリーンショットを使うなら、個人情報を含まない例を用意し、画像だけで意味が伝わらない箇所に短い説明を添えます。画面が変わったときに直せるよう、画像の取得日と対象プランも残します。
普段やらない人が手順だけで再現する
書いた本人は不足に気付きにくいため、別の人が架空の対象で試します。横から先回りして教えると、説明がなくてもできたように見えるので、迷った箇所を記録してから補います。
確認するのは速さだけではありません。正しい対象を開いたか、金額を誤っていても止まれるか、どこへ相談するかが分かるかを見ます。試験結果を「分かりやすい」だけで終わらせず、「元の発注資料へのリンクがなく探した」のように具体的に残します。
顧客への送信、送金、削除などの実行を含む作業は、試験用データと本番の操作を明確に分けます。実務担当者の許可と確認が必要な段階も、手順書へ示してください。
更新する人と見直すきっかけを決める
ページには担当者、最終確認日、対象の業務・製品、変更履歴を記載します。毎月全ページを読むより、画面変更、ルール変更、ミスの発生、新担当への引継ぎを更新のきっかけにします。
Notionで複数人が編集する場合は、無料プランのメンバー数によるブロック制限や履歴保持の条件も確認します。文書を作れることと、必要な期間の変更履歴を戻せることは別です。Notionのプランと履歴条件
最初の一ページを実際に使い、迷った箇所を直してから次の仕事へ広げてください。立派な目次を先に作るより、担当者が不在でも一つの仕事が終わる経験を積む方が、マニュアルを更新する習慣につながります。