請求・契約

着手金・中間金・残金の分割請求:契約額と請求累計を照合する方法

着手金・中間金・残金の分割請求を、契約額・請求累計・入金累計で管理する方法を解説。100万円の架空例で、追加作業時の残高やソフトの確認点を整理します。
この記事の内容
  1. 契約額・請求額・入金額を分けて見る
  2. 各回の請求条件を日付と成果物で決める
  3. ソフトでは案件と請求書の関係を確認する
  4. 追加や減額があれば残りの請求計画を更新する
  5. 請求管理と会計処理を切り分けて引き継ぐ
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制作や開発の仕事を着手金・中間金・残金に分けて請求するときは、各回の請求書と、案件全体の残高を別々に管理します。請求書を三枚作れただけでは、契約額との一致や入金の遅れまでは確認できません。最初に請求の条件を合意し、その条件に沿って金額と状態を更新する流れを作りましょう。

以下は少人数の受託事業を想定した管理例です。金額はすべて架空で、残高の仕組みを説明するため税抜で統一しています。実際の請求では税額や端数処理を別途確認してください。

契約額・請求額・入金額を分けて見る

契約額は相手と合意した仕事の総額、請求額は実際に請求した金額、入金額は受け取った金額です。まだ請求していない部分と、請求済みで未入金の部分を一つの「残金」にまとめると、次に何をすべきか分からなくなります。

契約額100万円を、着手30万円、中間40万円、完了30万円に分ける例を見てみましょう。

時点請求累計入金累計未請求額請求済み未入金額
着手金を請求30万円0万円70万円30万円
着手金が入金30万円30万円70万円0万円
中間金を請求70万円30万円30万円40万円
全額請求・全額入金100万円100万円0万円0万円

この表では、未請求額を「契約額−請求累計」、請求済み未入金額を「請求累計−入金累計」で計算しています。返金や相殺などがある場合は、その調整を別欄に持たせてください。入金日も残し、金額が一致していても支払期日を過ぎていないか確認します。

各回の請求条件を日付と成果物で決める

「作業が半分終わったら中間金」という表現だけでは、双方の認識がずれる可能性があります。何を完了した時点で請求するのか、誰が確認するのか、請求後いつまでに支払うのかを具体化します。

例として「初期設計書を提出し、所定の確認が終わった後に中間金を請求する」と決めたら、その確認記録を請求書にひも付けます。担当者の感覚だけで請求可能にせず、条件を確認できる資料へたどれる状態にしましょう。

請求予定日と支払期日は別項目です。予定日に請求を作成できなかった場合も、単に一覧の日付を上書きせず、遅れの理由と新しい予定を残します。資金繰りの見通しを作るときは、請求する月だけでなく入金される月で集計する必要があります。

ソフトでは案件と請求書の関係を確認する

分割請求に対応するソフトを選ぶときは、一つの案件から複数の請求書を管理できるか確認します。boardの公式ヘルプでは、分割請求などにより案件と請求書が一対多になること、案件一覧と請求一覧では表示の単位が異なることを説明しています。boardの案件一覧と請求一覧

導入前には、案件総額と各回の請求額を同じ画面で照合できるか、請求日を変更しても残りを追えるかを確かめましょう。入金を案件全体にだけ登録する仕組みでは、どの回が未入金なのか分かりにくくなることがあります。

利用プランによる違いもあります。freee請求書では、公式料金表上、合算請求・分割請求は有料プランの機能です。「請求書を無料で作れる」という説明だけで判断しないようにしてください。機能条件は2026年10月8日時点です。freee請求書の料金・機能表

追加や減額があれば残りの請求計画を更新する

当初100万円の仕事に10万円の追加が合意され、すでに70万円を請求済みなら、改定後の未請求額は40万円です。当初の残金30万円だけを請求すると追加分が漏れます。一方、契約総額110万円を新規請求額として登録すると重複してしまいます。

変更時は「旧契約額」「変更額」「改定後契約額」「請求済み額」「今後の請求額」を並べ、どこへ変更を反映するか決めます。追加分を別請求にするか最終回に加えるかは、取引先との合意とソフトの管理方法に合わせます。

すでに発行した請求書を訂正する必要がある場合は、相手への連絡と訂正履歴を残してください。請求の取消、返金、作業中止が生じた場合も、予定表の行を削除するだけでは過去の入金とのつながりが失われます。

請求管理と会計処理を切り分けて引き継ぐ

着手金を受け取った日が、そのまま売上の計上日になるとは限りません。取引内容や会計上の扱いを確認し、請求管理の状態を機械的に会計処理へ置き換えないようにします。契約書、請求書、入金記録、納品や検収の記録をそろえると、税理士などにも確認しやすくなります。

月末には、各案件の請求計画と入金明細を照合し、次の請求条件を満たした案件を拾います。翌月の予定には、請求予定額だけでなく確認待ちの事項も残しましょう。

分割請求の運用を始めるなら、まず一案件で契約額と各回の合計が一致する表を作ってください。次に、金額変更を一度入れても未請求額と未入金額を区別できるか確かめると、継続して使える管理方法か判断できます。

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