最初の社員を迎える会社のツール構成|アカウント・担当・引き継ぎを整える
この記事の内容
初めて社員を迎える会社では、代表者が一人で使っていたメールやファイルを、そのまま一緒に使わせる前に管理方法を整理しましょう。誰がログインし、何を見て、何を変更できるかを分けると、日々の担当分担と退職時の整理を両方考えられます。
最初に必要なのは製品を増やすことより、会社の情報と個人の情報を分け、社員が自分のアカウントで一件の仕事を完了できる構成を用意することです。
代表者の個人所有だった情報を棚卸しする
代表者の私用メール、個人用の保存先、個人の電話番号を復旧先にしたアカウントなどを一覧にします。会社の業務に必要なものを特定し、社員へ見せる情報と個人に残す情報を分けます。
個人アカウントのパスワードを丸ごと渡すと、仕事に不要な情報まで見える可能性があります。会社用の契約や管理方法を確認し、必要なファイルと連絡先だけを適切に移す計画にしてください。
| 情報・契約 | 確認すること |
|---|---|
| 仕事用メール | 社員の連絡先と共通窓口をどう用意するか |
| ファイル | 会社側が管理できる保存先か |
| 顧客・案件 | 社員が担当する範囲を分けられるか |
| 契約・請求 | 閲覧と発行・変更を分けられるか |
| 復旧先 | 代表者が不在でも必要な対応が可能か |
雇用や労務の手続きは別に確認し、この表だけで入社準備をすべて終えたとは扱わないでください。この記事は業務アカウントと情報の引き継ぎを対象にしています。
入社日に渡すアカウントと端末を一覧にする
社員が使うメール、予定表、ファイル、案件管理などのアカウントを準備します。管理者が作成するものと本人が設定するものを分け、初回ログインと復旧手段の確認まで予定に入れます。
Google Workspaceでは管理者がユーザーを追加する手順が公式に案内されています。採用するプランの利用人数と課金条件を確認し、共通ログインを使う前提で席数を減らさないようにします。Googleのユーザー追加手順
端末には、管理番号、利用者、貸与日、業務に必要なアプリ、返却時の連絡先を記録します。私物端末を使う場合は、仕事の保存先、紛失時の連絡、退職時の処理をあらかじめ決めます。
初日の確認では、ログインできるかだけでなく、メールの送受信、予定の確認、必要ファイルの閲覧、担当案件の更新までを実施します。権限不足はその場で調べ、必要以上の管理権限を付けて解決しないようにしましょう。
閲覧・編集・管理の権限を分ける
一人のときはすべて代表者が操作できても、社員には担当業務に必要な範囲を渡します。請求を見る、請求を作る、会社情報や支払方法を変更する、といった操作を区別します。
| 役割 | 例として渡す操作 | 代表者が保持する操作の例 |
|---|---|---|
| 制作担当 | 担当案件の更新、素材の編集 | 契約・請求先の変更 |
| 顧客窓口 | 対応履歴と連絡内容の更新 | 全顧客の一括出力の管理 |
| 経理補助 | 指定範囲の入力・確認 | 支払方法や管理者の変更 |
実際に必要な権限は仕事内容によります。上の表を固定ルールとして使わず、担当させる作業を一件ずつ実行して、必要な範囲を決めてください。
情報資産の管理や社内ルールを整える際には、IPAの小規模事業者向け資料を参考にできます。管理台帳と従業員向けの手引きが用意されているので、会社の実際の運用に合わせて調整します。IPAのガイドライン・付録
手順書は、説明を受けずに一件進められる形にする
手順書に画面の場所だけを書いても、何を判断するかが分からなければ仕事は止まります。入力する情報、完了条件、例外時の相談先を一緒に残します。
たとえば問い合わせ対応なら、受信確認、担当の決定、回答の準備、確認依頼、返信、履歴更新の順で書きます。値引きの依頼や個人情報を含む相談など、本人だけで判断しない条件も明示します。
引き継ぎでは、代表者が説明しながら操作するだけで終えず、社員が架空案件を一件進めてみます。分からなかった言葉、見つからなかったファイル、権限が足りなかった操作を記録し、その箇所を直します。
手順書が完成してから仕事を始めるというより、一件を通して更新する方法なら、少人数でも実務に合う資料を作りやすくなります。
不在・退職時に備え、所有者と復旧先を確認する
ファイルや自動化の所有者が社員個人のアカウントだけだと、不在時に変更できない場合があります。必要な管理者、代わりの担当、通知先を記録しておきます。
Googleのユーザー削除に関する公式資料は、必要なデータを移管する手順を案内しています。アカウントを消してから考えるのではなく、保持するデータと共有を先に確認します。Googleのユーザー削除・移管の案内
社員が増えたときも、同じ入社用の一覧を使い、必要なアカウントと権限を毎回決めます。最初の一人が一件の仕事を自力で完了し、代表者も状況を確認できることを、構成の完成条件にしましょう。