一人ネットショップのツール構成|受注・在庫・発送・経理をつなぐ
この記事の内容
一人でネットショップを運営するなら、最初は販売サービスを中心に、受注、在庫、発送、入金、会計の対応をそろえましょう。別の管理ソフトを増やす前に、注文番号を使って各記録を照合できる構成を作ることが大切です。
特に「売れた金額」「顧客が支払った金額」「手数料を引いて振り込まれた金額」は一致するとは限りません。この記事では一店舗の運営を基本に、複数モールへ広げる場合に追加する機能まで整理します。
注文・在庫・入金の状態を分けて管理する
注文が入ったときに、支払いも発送も完了しているとは限りません。まず販売サービスの画面で、注文、決済、発送、返品がそれぞれどの状態として表示されるかを把握します。
Shopifyの公式ヘルプでも、注文状況、支払い、フルフィルメントなどは分けて案内されています。複数の状態を一つの「対応済み」にまとめず、次に行う仕事を判断できる形で使います。Shopifyの注文状況の説明
| 記録 | 確認したいこと | 対応する番号 |
|---|---|---|
| 注文 | 何を、いくつ受けたか | 注文番号 |
| 在庫 | 販売可能数と取り置き数 | 商品コード |
| 発送 | 何を、いつ送ったか | 注文番号、送り状番号 |
| 決済・返金 | いくら回収・返却したか | 注文番号、決済番号 |
| 入金 | どの売上が振り込まれたか | 入金明細の対象期間 |
商品名を変更しても照合できるように、商品コードを軸にします。色やサイズが違う商品は、実際に在庫を数える単位とコードを合わせましょう。
一店舗なら、販売サービスの機能で完結する範囲を確認する
販売を始めたばかりなら、注文と在庫は販売サービス内、発送ラベルは利用する配送サービス、記帳は会計ソフトという構成から検討できます。別の表へ全注文を手入力すると、入力作業だけでなく訂正も二重になるためです。
表計算を残すなら、売上の正本ではなく、仕入れ予定や月次確認など役割を限定します。注文データと違う数字が出たときに、どちらを直すかを決めておきます。
複数モールへ展開する場合は、同じ在庫を複数箇所で販売する問題が生じます。必要なのは商品掲載だけでなく、受注時に在庫が減るタイミング、キャンセル時に戻る条件、同期が止まった場合の対応です。在庫連携サービスを選ぶときは、対象モールと商品コードの対応まで確認してください。
返品では、お金と商品の動きを別々に確認する
返品を受け付けたからといって、返金と在庫の戻しがすべて自動で終わるとは限りません。戻った商品の検品、販売可能在庫への復帰、顧客への返金を分けて記録します。
Shopifyは返品、返金、交換を別の処理として案内しています。また、Shopify ペイメントで処理した注文では、返金しても元のクレジットカード手数料が返されない旨を説明しています。売上を取り消せば費用もすべて消えると考えず、利用する決済方法の条件を確認しましょう。返品・交換の説明、返金時の注意点
架空の例として、商品2点のうち1点だけ返品されるケースを用意します。注文番号はそのままで、返品数量、返金額、送料の扱い、在庫に戻す数量を記録してください。不良品を販売可能在庫に戻さないなど、物の状態も含めた確認が必要です。
この例を試用で通すと、通常注文だけの比較では分からない手作業が見えます。実際のお金を動かす前に、サービスのテスト方法に従って確認します。
会計へ渡すときは、売上と振込額の差を説明できるようにする
会計へ渡す資料は、口座に振り込まれた金額だけでは不足する場合があります。売上、返金、決済手数料、振込手数料、対象期間を同じ明細で確認できるようにします。会計処理そのものは、事業の状況に合わせて税理士などへ確認してください。
次は差額の照合を示す架空例です。対象期間の決済済み売上が100,000円、顧客への返金が10,000円、手数料が3,000円なら、その他の調整がない前提で振込額は87,000円です。87,000円という一つの数字だけを見ても、返金と費用の内訳は分かりません。
CSVを使う場合は、対象期間と出力日時をファイル名へ残します。同じ期間を再出力して取り込むときは、注文番号などで二重計上を防げるか確認します。連携を有効にした前後で、手作業の範囲が重なっていないかも点検しましょう。
自動連携を追加する前に、手作業の回数を数える
連携サービスの導入判断は、月の注文数だけでは決まりません。一件の注文で何回転記するか、変更や返品が何回あるか、どの程度確認作業が残るかで違います。
仮に月100件を一件2分で転記しているなら、入力だけで200分です。これは削減効果の実測ではありません。自動化後にも照合や例外対応が残るため、自分の作業を一週間記録し、その部分を差し引いて考えます。
費用比較には、連携サービスの基本料金、注文件数による従量費、必要な上位プラン、設定や移行の作業を含めます。「対応している」と案内されていても、返金や複数倉庫、商品オプションまで対象とは限らないので、必要なデータ項目を確認してください。
最初に通常注文、キャンセル、一部返品の三つを一連で確認してみましょう。どこで数字と状態が合わなくなるかを把握すれば、追加するツールの役割が明確になります。