外注先に顧客情報を共有する前に:CRMの閲覧・編集範囲を確認
この記事の内容
外注先へ仕事を依頼するとき、CRMの全顧客情報を共有する必要があるとは限りません。まず依頼する作業を決め、その作業に必要な案件、項目、操作だけを渡します。
「閲覧のみ」でも連絡先の一覧を見られる場合があります。見る権限、編集する権限、書き出す権限を分けて確認することが、少人数で管理を続けるための基本です。
依頼作業から必要な情報を逆算する
架空の制作会社が外部デザイナーへ原稿制作を依頼するなら、顧客の要望と納品条件は必要でも、全案件の利益や他社の連絡先は不要かもしれません。
| 依頼する仕事 | 必要な情報 | 通常は不要な情報の例 |
|---|---|---|
| デザイン制作 | 対象案件の原稿・仕様・納期 | 他顧客の売上 |
| 日程調整 | 対象相手と候補日 | 商談の利益率 |
| 顧客サポート | 対象の問い合わせと過去対応 | 無関係な案件 |
| データ整理 | 指定項目と訂正ルール | 作業対象外の添付 |
「信頼しているから全部見せる」ではなく、見せなくても仕事ができる情報を先に除きます。必要な情報を減らすと、相手が探す範囲も小さくできます。
CRMへ招待するか別の共有物を作るか選ぶ
継続して顧客対応をする相手なら、CRMで履歴を残せる方が適する場合があります。一回限りの制作依頼なら、必要事項をまとめた共有文書で足りることもあります。
CRMへの招待には、利用者追加の費用と、権限設定・終了時の解除作業が伴います。内部メンバーと外部ゲストの扱いは製品ごとに異なるため、無料招待を前提にしないでください。
別の文書へ切り出す場合も、複製後の更新方法を決めます。元の仕様を変えたのに外注先の文書が古いままだと、情報を絞っても依頼内容を取り違える可能性があります。
閲覧・編集・削除・書き出しを別に確認する
| 操作 | 確認する問い |
|---|---|
| 閲覧 | 担当案件だけ見えるか、他顧客を検索できるか |
| 編集 | 納期や単価など変更させたくない項目を変えられるか |
| 削除 | 記録を消す必要があるか |
| 書き出し | 顧客一覧や添付をまとめて取り出せるか |
| 再共有 | 他の人へアクセスを渡せるか |
HubSpotの公式権限ガイドでも、CRM操作やエクスポートなどの権限を分けて説明しています。各機能を利用できるプランと、設定する人の権限を確認してください。HubSpotユーザー権限ガイド
必要な制限を実現できない場合は、上位プランの費用を確認するか、CRMへ直接招待せず対象情報だけを別に共有する方法を検討します。
管理者画面だけでなく相手の画面で試す
権限を設定したら、外注先と同じ権限を持つテストアカウントで確認します。管理者にはすべて見えるため、設定画面を読むだけでは共有範囲を判断しにくいからです。
架空の「共有してよい案件」と「共有しない案件」を用意し、一覧、検索、関連レコード、添付からそれぞれ到達できるかを試します。閲覧できない案件へのリンクを開いた場合の表示も確認してください。
必要な情報が見えない問題も同時に確認します。制限を強くした結果、毎回代表に画面の転送を頼む運用になるなら、依頼する範囲と共有方法が合っていない可能性があります。
契約終了日にアクセスを止める手順を決める
外注期間が終わったら、アカウント、共有リンク、連携アプリなどのアクセスを見直します。CRMの招待を取り消しても、既にダウンロードされたファイルの状態までは同じ操作で変わらないため、複製データの扱いは依頼時に決めます。
| 終了時の作業 | 担当の例 |
|---|---|
| 未完了作業と履歴を確認 | 社内の依頼担当 |
| 案件の担当を戻す | CRM管理者 |
| アカウントと共有リンクを確認 | CRM管理者 |
| 貸与・複製資料の扱いを確認 | 契約の窓口担当 |
完了日に一括で思い出すのではなく、招待時に終了予定日を台帳へ記録しておくと処理しやすくなります。
小さな事業ほど共有の窓口を一人決める
3〜5人の会社でも、各人が個別に外注先を招待すると、誰が何を見られるか分かりにくくなります。共有の窓口と、権限を見直す責任者を決めてください。
既に招待済みの相手がいるなら、今日必要な仕事があるか、対象外の顧客まで見えるか、終了日があるかを確認します。人数が少ないうちに、この一覧を作っておくと引き継ぎにも使えます。
顧客対応を実際に任せる場合は、履歴と未対応の引き継ぎを併せて整えます。アクセスを渡すだけでは、顧客への約束は引き継げません。