NDAを電子契約で締結する流れ:版・署名順・共有範囲を決める
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NDAを電子契約で進めるときは、契約の条項を確認する工程と、署名を依頼する操作を分けます。送信ボタンを押せる状態になっていても、相手と内容を確認し終えたとは限りません。まず承認済みの版を一つ決め、その版を正しい相手へ送ることが出発点です。
NDAは秘密保持契約です。ここでは条項の有利・不利や有効性を判定せず、少人数の会社が版、宛先、締結後の共有を管理する方法を説明します。相手の雛形を使う場合も、自社の雛形を使う場合も、管理する項目は共通しています。
雛形の出所と変更履歴を最初に残す
相手から受け取ったWordファイルを編集するときは、受領した原本と自社で修正した版を分けます。ファイル名だけでなく、受領日、修正担当、相手に返した版を台帳へ記録すると、どの内容へ合意したかを追いやすくなります。
| 管理項目 | 架空の記入例 | 管理する理由 |
|---|---|---|
| 元の雛形 | 青葉社から10月8日受領 | 条項の出所を確認する |
| 確認中の版 | NDA_P028_v02 | 修正対象を固定する |
| 内容確認 | 双方の担当者がv03を確認 | 送る版を取り違えない |
| 送信対象 | NDA_P028_v03.pdf | WordとPDFの差を確認する |
PDF化した後も、会社名、日付欄、別紙参照、ページの欠落を見ます。コメントや変更履歴が残った文書を誤って添付しないよう、送信するPDFそのものを開いて確認してください。
条項についての確認事項を操作メモに混ぜない
対象になる情報、目的、共有してよい相手、返却や削除の扱いなど、内容に関する不明点は別の一覧にします。実務上の質問をまとめることはできますが、「一般的な雛形だから問題ない」と判断する材料にはなりません。
たとえば「制作を手伝う外注先に資料を見せる予定がある」という事実を確認担当へ伝えます。条項の専門用語だけを尋ねるより、実際に行う予定の共有を示す方が、確認する点を絞れます。
内容が確定していない項目は送信前に解決します。「とりあえず締結して、後から運用で合わせる」進め方にせず、誰が回答するかと確認期限を決めておきます。
署名する人と内容を確認する人を分ける
窓口担当、法務担当、署名する人、締結後の共有先は同じとは限りません。相手に必要な社内手順を確認し、送信順と宛先を決めます。会社の代表者以外が署名する場合も、相手の権限を推測で決めないようにします。
順番があるなら「自社確認→相手署名→自社署名」のように、合意した流れを書き出します。これは順序の例であり、常にこの順が必要という意味ではありません。使用するサービスが指定した順序や役割を表現できるかを確かめてください。
クラウドサインでは、確認依頼と締結完了などで通知が分かれます。通知が届く相手を確認し、内部確認のつもりで外部へ署名依頼を出さないようにします。締結に関わる通知の説明
締結済みの版と関連資料を限定して共有する
締結が終わったら、送信前のPDFと締結済みPDFを区別して保存します。証明資料が提供される場合は、それも対応する契約へひも付けます。クラウドサインでは書類IDと合意締結証明書で対応関係を確認できます。合意締結証明書
社内で共有するのは、必要な人が契約上の取扱いを確認できる範囲です。取引先の資料を扱う全員に原本の編集権限まで渡す必要はありません。担当者には現行版への閲覧リンクを共有し、原本を変更しない保存先を決めます。
「NDAを締結したから何でも共有できる」と考えず、扱う情報と実際の共有先を照合します。相手から受け取る資料の保存場所をあらかじめ決めると、チャットや個人フォルダへ散らばるのを防ぎやすくなります。
契約期間と秘密保持に関する期間を別欄にする
契約の終了日と、終了後も関係する義務の期間が同じとは限りません。台帳には契約書の該当箇所、確認した内容、次に見直す日を残します。自動計算で日付を埋める前に、条項の起算点を確認してください。
案件が終了するときは、共有リンクの停止、資料の返却・削除など、合意した条件に沿って作業を整理します。何を削除し、どの記録を残すかの判断を、現場担当者だけに委ねない運用にします。
最初の一件は、締結済み文書を台帳から開き、署名した相手、現行の条件、関連資料の保存先を説明できるか確認しましょう。この流れが通れば、次のNDAでも同じ管理項目を使いながら、内容の確認は案件ごとに行えます。